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IFRSにおける定率法

作成日:平成24年2月25日
参考:IFRSに関する誤解(金融庁)

 日本の会計慣行の中で、建物以外の償却方法のメインとなっていた定率法ですが、IFRSでは使えなくなるのではないかという誤解があります。

 IFRSでは、「減価償却は資産の償却可能価額を耐用年数にわたって規則的に配分するものであり、償却方法は、将来的な資産の経済的便益の消費パターンを反映したものを採用しなければならない」と規定しています。

 そして、IAS第16号62項では、
「資産の償却可能価額を耐用年数にわたって規則的に配分するために、種々の減価償却方法が用いられる。
 そうした方法には①定額法②定率法③生産高比例法がある。
  ①定額法では、資産の残存価額が変化しない場合には、
   耐用年数にわたり一定額の費用が計上されることになる。
  ②定率法では、耐用年数にわたり、逓減的な費用が計上されることになる。
  ③生産高比例法では、予測される使用や生産高に応じて費用が計上されることになる。
 企業は資産に具現化された将来の経済的便益の予測消費パターンを最も近く反映している方法を選択する。
 適用される方法は、将来の経済的便益の予測消費パターンに変更がない限り、毎期継続して適用される。」
としています。

 IFRSでは、定率法と定額法との間に優劣を定めているわけではないのです。

 機械でも導入当初の方が、製造される製品の需要が多かったり、価値が高かったりして、操業度が高いことは良くあります。
 また、時間がたつにつれて修繕費が多くかかることもあるでしょう。
 そのような状況を説明できれば、定率法により導入当初の償却費を多く計上することは当然に認められます。

 ただ、そのような状況を積極的に説明できないがゆえに、より説明がつきやすい定額法をIFRSでは採用する方針の企業も多いのが実情です。

 会計上、定率法をやめてしまうと、設備投資時に序盤の減価償却による損金算入額が大きいという税制上のメリットを享受できなくなります。
 税務上は、会計上の減価償却費が税務上の減価償却費を下回っても、税務上の減価償却費と同額を損金算入できるように別表4で減算することを認めていないからです。

 会計上で主として定額法を採用することで、税制上のメリットも失ってしまうことを考えると、IFRSでも積極的に従来通り定率法を採用する企業が多く出てきて欲しいと思います。


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