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 「のれん」の会計処理における日本基準とIFRSの違い

「のれん」の会計処理における日本基準とIFRSの違い

作成日:平成24年4月3日


のれんとは

 のれんとは、企業結合の際に、「投資企業の投資額」と「被投資企業の純資産」の差額として認識されるものです。
 「投資企業の投資額」が「被投資企業の純資産」を上回った場合の「のれん」は、企業の「超過収益力」を表していると言えます。

<純資産100の会社を120で買収した場合>
のれん=「投資企業の投資額」−「被投資企業の純資産」=120−100=20
20は被投資企業の超過収益力で、(正の)のれんと呼ばれます。
超過収益力があるから、20だけ高い価格で買収するわけです。

仕訳イメージ
(資産)200(負債)100
(のれん)20(現金)120
<純資産100の会社を80で買収した場合>
昨今の株式市場では株価が純資産価値を下回っているケースを良く見ます。
これは会社の価値が解散価値を下回っているという、理論的には異常なケースです。
この場合、純資産よりも安い価格で買収できることになります。

のれん=「投資企業の投資額」−「被投資企業の純資産」=80−100=△20
△20は負ののれんと呼ばれます。

理論上は
 ①発生原因が不明
 ②識別すべき資産負債を認識できないため発生
 ③株式市場の安売り(バーゲン)で発生
等と考えます。


正ののれんの償却

日本基準

 日本基準では「超過収益力は資本市場で徐々に競争力が失われていくもの」と考えます。
 このため、20年以内の一定の年数で償却します。
 この償却年数は20年以内という規定だけなので、5年の場合も10年も場合もあり、その企業や事業次第です。
 また、簿価と割引前CFの比較により減損を認識すべきかどうか判断します。


IFRS

 IFRSでは「資産性が認められる以上、償却する必要はない」と考えます。
 このため、規則的な償却は行いません。
 但し、簿価と割引後CFの比較による減損テストを毎期実施します。
 日本の減損と異なり、割引前CFと比較するプロセスを飛ばして、はじめから割引後CFと比較するため、減損の可能性は日本基準よりも高いです。
 なお、固定資産の減損に戻入を認めているIFRSも、のれんの減損の戻入は不可としています。


日本基準とIFRSの差異

 IFRSの場合、無形資産であるのれんを規則的に償却しないので、毎期の減損テストで突然のれんの減損が出たり、全く出なかったりすることになります。
 また、減損は見積りにより計上されるので、日本基準よりも業績予想が非常に難しくなると思います。
 好況期にはのれんという無形資産が100%残り続けて、不況期には一時に減損される恐れがあります。
 個人的には規則償却と減損をともに行う日本基準の方が保守的で、経営や投資がしやすいと思います。


負ののれんの償却

日本基準

 発生時に一括して特別利益とします。
 理論上説明の難しい負ののれんは一括して特別利益とすることになりました。
 安く買えた分、利益になります。


IFRS

 発生時に一括して利益とします。


日本基準とIFRSの差異

 日本基準の方がIFRSに合わせて改正されたため、現在の日本基準との差異はありません。


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