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会計上の繰延資産

作成日:平成25年1月6日

 繰延資産とは、

「すでに対価の支払が完了し又は支払義務が確定し、これに対応する役務の提供を受けたにもかかわらず、その効果が将来にわたって発現するものと期待される費用」
(企業会計原則注解15)

であり、費用収益対応の原則から認められている会計処理です。

 繰延資産としての計上は「費用収益対応の原則」により認められますが、「保守主義」の観点から早期償却が推奨されます。

 なお、税務上の繰延資産は、会計上の繰延資産(会計上の早期償却に対応するため任意償却の扱い)に加え、税法独自の繰延資産(均等償却の扱い)を設ける構成となっています。
 税法独自の繰延資産は、会計上は「長期前払費用」等の勘定科目で表示するのが一般的です。

 商法時代には商法施行規則にて列挙となっていましたが、会社法(計算規則)では列挙がなくなり会計慣行にゆだねることとされました。
 繰延資産には以下のようなものがあります。


株式交付費

 新株の発行又は自己株式の処分に係る費用です。

原則:支出時に営業外費用として処理する
例外:繰延資産に計上する。3年以内の効果の及ぶ期間にわたって、定額法により
   償却する

 例外は企業規模の拡大のための資金調達等の場合に認められます。
 なお、IFRSでは資本からの直接控除処理のため、対応を検討中とのことです。


社債発行費

 社債の発行に係る費用です。

原則:支出時に営業外費用として処理する
例外:繰延資産に計上する
   社債償還までの期間にわたり、利息法又は定額法により償却する

 同様に新株予約権の発行費もありますが、例外の場合の取り扱いが「3年以内の効果の及ぶ期間にわたって、定額法により償却する」となります。


創立費

 会社の負担に帰すべき設立費用です。

原則:支出時に営業外費用として処理する
例外:繰延資産に計上する
   5年以内の効果の及ぶ期間にわたって、定額法により償却する

 なお、会社計算規則では資本金又は資本準備金から減額することも可能です。


開業費

 開業準備のために直接支出した費用です。

原則:支出時に営業外費用として処理する
例外:繰延資産に計上する
   開業の時から5年以内の効果の及ぶ期間にわたって、定額法により償却する

 営業活動と密接なため、「販売費及び一般管理費」として費用処理又は償却することも可能です。


開発費

 新技術又は新経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓、生産能率向上・生産計画変更のための大規模な設備配置変更等に要した費用で、非経常的な性格のものです。

原則:支出時に売上原価又は販売費及び一般管理費として処理する
例外:繰延資産に計上する。5年以内の効果の及ぶ期間にわたって、定額法等により
   償却する

 なお日本の会計基準では、「研究開発費等に係る会計基準」の対象となる研究開発費は、支出時費用処理のみしか認められません。


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