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 単一性の原則と財務諸表の種類

単一性の原則と財務諸表の種類

作成日:平成24年5月19日
参考:企業会計原則、会社法、会社計算規則

 財務諸表には様々な種類のものがあります。
 いずれの財務諸表も会社の財政状態や経営成績を適正に表示することが求められているため、企業会計原則では単一性の原則を定めています。

 単一性の原則とは、

 株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない
という原則です。
 よって複数の財務諸表の作成が必要な場合、単一の会計帳簿から、それぞれ表示組替等を行い、目的に応じて異なる様式の財務諸表を作ることになります。
 このように様式が複数あっても、元になる会計情報は一つであるため、「実質一元・形式多元」と呼ばれます。


株式会社が作成する財務諸表の種類

①会社法の計算書類

 計算書類は会社法の規定により作成するもので、株主総会の招集通知に添付され、株主総会に提出されます。
 計算書類は原則として株主総会で承認する必要がありますが、会計監査人設置会社において一定の要件を満たせば取締役会で承認して株主総会では報告するのみで足ります。
 計算書類の表示は会社計算規則の規定に従います。
 また、計算書類のひな型を経団連が毎年公表しているので、作成の際には参考になります。
 会社法計算書類は債権者や株主の保護を最も意識した財務諸表です。


②有価証券報告書の財務諸表

 有価証券報告書とは、上場会社等が金融商品取引法の規定により提出する書類です。
 上場して市場で資金調達をするには、会社の財政状態と経営成績を投資家に報告する必要があるため、有価証券報告書の提出が求められます。
 有価証券報告書の財務諸表は数ある財務諸表の中でも最も詳細です。
 有価証券報告書の財務諸表の表示については、財務諸表等規則の規定に従います。
 有価証券報告書は投資家の保護を最も意識した財務諸表です。


③四半期報告書

 有価証券報告書の四半期版です。
 有価証券報告書よりも簡略化されています。
 四半期報告書の財務諸表の表示については、四半期財務諸表等規則の規定に従います。


④税務申告書類

 日本の税務申告は確定決算主義によっています。
 確定決算主義とは、会社法で確定した計算書類を出発点として、その計算書類に租税政策上定められた調整を行って税務申告をする方法です。
 会社法上の損益計算書は、確定申告書の別表四により税務上の損益計算書となり、その事業年度の課税所得が計算されます。
 会社法上の貸借対照表は、確定申告書の別表五により税務上の貸借対照表となり、会社法上と税務上の一時差異の明細が作成されます。


決算公告

 株式会社はその機関設計に係らず決算公告をして、取引先などに情報を開示する必要があります。


①有価証券報告書提出会社の場合

 証券取引所に上場している等の理由でEDINET等で有価証券報告書を開示している会社は、当該開示で決算公告をしているので、別途決算公告を行う必要はありません。


②大会社の場合

 貸借対照表と損益計算書の決算公告が必要です。


③大会社以外の会社

 貸借対照表の決算公告が必要です。


決算公告の方法

 決算公告の方法には以下の方法があります。


①官報で公告

 官報で公告する場合は、貸借対照表等の要旨を公告すれば足ります。


②日刊新聞で公告

 日刊新聞で公告する場合は、貸借対照表等の要旨を公告すれば足ります。
 なお、定款で日刊新聞で公告する旨を定めておく必要があります。


③電子公告

 電子公告をする場合には、5年間継続して貸借対照表等の全部を開示します。
 なお、定款で電子公告する旨を定めておく必要があります。
 また、貸借対照表等を掲載するホームページアドレスを登記しておく必要があります。
 合併公告や資本減少公告等を電磁的方法で行う場合は、電子公告調査機関に依頼し調査を求めることが必要ですが、この電子決算公告に限っては当該調査は必要とされません。


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