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クロス取引の会計と税務

作成日:平成25年5月29日

 有価証券を売却した直後に、同一の有価証券を買い戻す取引をクロス取引といいます。
 クロス取引の目的は有価証券の含み益の実現です。

 法人の場合、多くの有価証券は決算書で時価評価がされていますが、有価証券の中にも時価評価の対象となっていないものがあります。
 そのような時価評価されていない有価証券に含み益がある場合、売却をするまで含み益を決算書で実現することはできません。

 そこで一旦有価証券を売却して含み益を実現し、その後に買い戻すことがあります。
 しかし、法人では、このような取引は会計上も税務上も、売却取引として認められない場合があります。


会計上の考え方(法人の場合)

 金融資産の認識中止の要件の3つのうちの1つに、「譲渡人が譲渡した金融資産を当該金融資産の満期日前に買い戻す権利及び義務を実質的に有していないこと」という要件があります。
 しかし判断が難しいケースもあり、クロス取引に当たるかどうかは、実務上は次の観点から判断します。

  1. 譲渡価格と購入価格が同一(金利の調整により実質的に同一の場合も含む)でないかどうか
  2. 売却・買戻しの間隔が5営業日超あいているかどうか
  3. 価格変動リスクを負っていないか


税務上の取扱い(法人の場合)

 税務上は法人税基本通達2-1-23の4において、同一の有価証券が売却の直後に購入された場合に売却がなかったものとして取り扱うかどうかを以下の観点から判断する旨が記載されています。

  1. 同時契約の存在の有無
  2. 売買価額が同一(金利の調整により実質的に同一である場合も含む)でないかどうか


個人投資家のクロス取引の税務上の取扱い

 法人ではなく個人がクロス取引を行った場合には、税務上その取引は有効なものとして取扱われます。
 すなわち、個人投資家がクロス取引を行った場合、所得税の計算上は売却損益を実現して問題ないものとされています。


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