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 貸倒損失及び貸倒引当金の仕訳と表示

貸倒損失及び貸倒引当金の仕訳と表示

作成日:平成24年12月26日


貸倒損失及び貸倒引当金の仕訳

①売掛金1000千円が貸倒た時の仕訳(貸倒引当金を計上していない場合)
(貸倒損失)1000    (売掛金)1000


②翌期以降の貸し倒れに備えて、決算時に貸倒引当金500千円を繰り入れた時の仕訳
 (決算整理前の貸倒引当金はゼロ)
(貸倒引当金繰入)500 (貸倒引当金)500


③②の貸倒引当金の繰入の後、売掛金300千円(前期に計上していたもの)が貸倒れに
 なった場合の仕訳
(貸倒引当金)300   (売掛金)300


④②の貸倒引当金の繰入の後、売掛金300千円(当期に新たに計上したもの)が貸倒れに
 になった場合の仕訳
(貸倒損失)300    (売掛金)300

⇒前期に計上した貸倒引当金は前期に計上していた売掛金に対するものであるため、
 当期に新たに発生した売掛金の貸倒れは貸倒損失で処理した方が厳密です。
 但し、継続的に取引している場合等で債権の計上時期の判別が難しければ、③のように
 貸倒引当金と相殺してしまう場合もあります。


⑤②の貸倒引当金の繰入の後、売掛金800千円(前期に計上していたもの)が貸倒れに
 なった場合の仕訳
(貸倒引当金)500   (売掛金)800
(貸倒損失)300

⇒貸倒引当金を上回る貸倒が発生した場合、その超過額は貸倒損失勘定で処理します。


⑥③の後、翌期以降の貸し倒れに備えて、決算時に貸倒引当金1000千円を繰り入れた時
 の仕訳(決算整理前の貸倒引当金は200)
・差額補充法
(貸倒引当金繰入)800 (貸倒引当金)800

・洗替法
(貸倒引当金)200   (貸倒引当金戻入)200
(貸倒引当金繰入)1000 (貸倒引当金)1000


⑦③の後、翌期以降の貸し倒れに備えて、決算時に貸倒引当金100千円を設定する時の仕訳
 (決算整理前の貸倒引当金は200)
・営業費用又は営業外費用から控除する場合
(貸倒引当金)200   (貸倒引当金繰入)200

・営業外収益処理する場合
(貸倒引当金)200   (貸倒引当金戻入)200

 過年度遡及会計基準の影響で、以前は特別利益として表示していた貸倒引当金戻入益を原則として営業費用又は営業外費用から控除するか、営業外収益として表示することになりました(金融商品会計に関する実務指針125項)。


⑧過年度に貸倒損失処理又は貸倒引当金充当処理した債権100千円が、後に回収できた場合
 の仕訳
(現金預金)100     (償却債権取立益)100

 過年度遡及会計基準の影響で、以前は特別利益として表示していた償却債権取立益を原則として営業外収益と表示することになりました(金融商品会計に関する実務指針124項)。


貸倒引当金の表示

①貸借対照表上の表示

 貸倒引当金は評価性引当金であるため、負債の部に計上するのではなく、対象となった勘定科目から控除する形式で資産の部にマイナス(△)で表示するのが原則です。
 なお、各勘定科目ごとに控除せず、一括して控除(流動資産で一括・投資その他の資産で一括)する方法も認められます(実務では一番多い方法です)。
 また、各勘定科目から直接控除(差し引き)し、注記する方法もあります。


②債権の区分ごとの仕訳処理

 貸倒引当金は

  1. 一般債権
  2. 貸倒懸念債権
  3. 破産更生債権
の3区分に分けて算定します。
 そして、当該債権区分ごとに仕訳処理を行います。
 繰入と戻入は相殺しますが、この3区分のほか、営業費用項目か営業外費用項目かにも注意して必要な部分を相殺します。


③流動・固定(投資その他の資産)の分類

 ①の通り、流動資産に係る貸倒引当金は流動資産から控除され、投資その他の資産に係る貸倒引当金は投資その他の資産から控除されます。


④営業費用・営業外費用の分類

 対象となる債権が営業上の取引に基づく債権である場合、貸倒引当金繰入額は営業費用として区分します。
 対象となる債権が営業外の取引に基づく債権である場合、貸倒引当金繰入額は営業外費用として区分します。


⑤貸倒引当金戻入の分類

 過年度遡及会計基準の影響で、以前は特別利益として処理していた貸倒引当金戻入益を原則として営業費用又は営業外費用から控除するか、営業外収益とすることになりました(金融商品会計に関する実務指針125項)。
 営業費用として繰り入れていたものは営業費用から控除、営業外費用として繰り入れていたものは営業外費用から控除することが原則になりますが、営業外収益として表示する場合には両者の区分を気にする必要がありません。


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