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退職給付会計に利用する割引率

作成日:平成24年10月6日
参考:会計制度委員会報告第13号:退職給付会計に関する実務指針(中間報告)

 退職給付会計の原則法で用いる割引率として「安全性の高い長期の債券の利回り」が退職給付会計に関する実務指針(中間報告11項)に挙げれられています。

 長期債券には10年物、20年物等様々な種類があり、年数により利率も大きく異なります。
 採用する「長期」の年数としては、「退職給付の見込支払日までの平均期間」を原則とし、「従業員の平均残存勤務期間に近似する年数」を実務上の取扱いとして認めています(中間報告11項)。

 平均残存勤務期間とは「在籍する従業員が貸借対照表日から退職するまでの平均勤務期間」です(実務指針24項)。
 平均残存勤務期間の年数だけ、退職給付の計算は続くと考えられるため、割引計算において用いるべき利回りとして、平均残存勤務年数に該当する長期国債の利回りが考えられるということです。

 平均残存勤務期間は、原則として、「退職率と死亡率を加味した年金数理計算上の脱退残存表を用いて算定」しますが、実務上は「標準退職年齢※−貸借対照表日の平均年齢」により算定することも認められます。
 ※標準退職年齢=定年年齢や退職者平均年齢等のうち、上記算定上実態に即するもの

 以上から、退職給付割引率を簡便に算出しようとすると、以下のような手順になります。


<設例>退職者平均年齢55歳、従業員平均年齢35歳の場合
①平均残存勤務期間は55歳−35歳=20年である。
②20年物の長期国債の利回りは2.5%であった。
③よって退職給付割引率は2.5%を用いる。


 実際には、実態により即するように細かい調整が必要な場合もありますが、最もシンプルに考えると、長期債権の長期年数としては「平均残存勤務期間(退職者平均年齢−従業員平均年齢)」を用いるということになります。

 なお、2009年(平成21年)4月1日以後開始する事業年度の年度末から、退職給付会計におけるPBO(退職給付債務)計算に用いる割引率の取扱いが改正されました。

 以前は割引率として、一定期間の債券の利回りの変動を考慮して決定することができ、概ね5年以内の利回りによる補正ができることとされていました。
 しかし、この補正は米国基準では認められていないため、2009年の改正により米国基準に合わせて、当該補正規定は使えなくなりました。

 よって、PBOの計算に使用する割引率は、原則として「期末日の割引率」となります。

※削除された規定※
 退職給付会計基準の注解「注6」なお書き
 「なお、割引率は、一定期間の債券の利回りの変動を考慮して決定することができる」
 を削除。


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