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 無償譲渡・無償貸付と低額譲渡の考え方

無償譲渡・無償貸付と低額譲渡の考え方

作成日:平成25年5月29日

 無償による資産の譲渡や役務の提供は、税務上、課税対象となる可能性があります。

 税務上は、

  • 無償による資産の譲渡
  • 無償による役務の提供
  • 無償による資産の譲受け
が「益金の額に算入すべき額」として定められているからです。
 また、寄附金税制が存在することが、課税に関連しています。

 無償による資産の譲渡や役務の提供は、取引主体が法人か個人かにより複数の類型に分かれますが、考え方を理解するために法人同士での例で説明します。


設例−無償譲渡

 A社が保有する土地は、簿価3,000,000円、時価5,000,000円である。
 A社は当該土地をB社に無償で譲渡した。
 完全支配関係は無く、グループ法人税制の適用はない。


A社の課税関係
(土地原価)3,000,000 (土地)3,000,000⇒売却した土地の簿価を損金算入します
(寄附金)5,000,000  (土地売却収入)5,000,000⇒※

※土地売却収入は益金に算入されますが、寄附金は寄附金の損金算入限度額までしか
 損金に算入されません。
 寄附金の損金算入限度額が1,000,000円だとすると、4,000,000円が損金算入限度
 超過額として課税(別表4で加算)されることになります。

 このケースでは、損金算入された土地原価3,000,000と寄附金の損金算入限度額
 1,000,000円に対し、益金に算入される土地売却収入が5,000,000円ですから、
 差し引き1,000,000円について課税されます。
 無償譲渡や低額譲渡が問題になるのは、寄附金税制があるからです。


B社の課税関係
(土地)5,000,000   (受贈益)5,000,000⇒益金に算入します

 土地は時価で取得したものと考え、受贈益は益金算入されて課税されます。


設例−無利息貸付

 A社は子会社B社に対して無利息で10,000,000円を貸し付けている。
 本来の適正な利率は3%とする。
 完全支配関係は無く、グループ法人税制の適用はない。


A社の課税関係
A社の会計上の仕訳
仕訳なし


A社の税務上の考え方
(現金預金)300,000 (受取利息)300,000⇒益金に算入します
(寄附金)300,000  (現金預金)300,000
               ⇒寄附金の損金算入限度額まで損金に算入します

 税務上、無利息の貸し付けは、まず利息の適正額を受け取って、それを寄附したと考えられます。
 寄附金は損金算入限度額までしか損金にはなりません。
 このため、寄附金の損金算入限度額が200,000円だったとすると、300,000−200,000=100,000円に対して課税されることになります。

 このケースでは、会計上は「仕訳なし」となりますが、税務上は寄付金の損金算入限度額の多寡によって課税される可能性があるので留意が必要です。


B社の課税関係
B社の会計上の仕訳
仕訳なし


B社の税務上の考え方
(支払利息)300,000 (現金預金)300,000⇒損金に算入します
(現金預金)300,000 (受贈益)300,000⇒益金に算入します

 B社の受贈益については益金に算入され、本来支払うべき利息については損金に算入されるため、B社では課税関係が生じません。


設例−土地の低額譲渡

 A社が保有する土地は、簿価30,000,000円、時価50,000,000円である。
 A社は当該土地をB社に30,000,000円で譲渡した。
 完全支配関係は無く、グループ法人税制の適用はない。


A社の課税関係
(現金預金)50,000,000 (土地売却収入)50,000,000
                    ⇒一旦は時価で売却したものと考えます
(土地原価)30,000,000 (土地)30,000,000
                    ⇒売却した土地の簿価を損金算入します
(寄附金)20,000,000  (現金預金)20,000,000
                    ⇒差額を寄附したと考えます

 寄附金20,000,000のうち寄附金の損金算入限度額を超過する部分に対して課税されることになります。


B社の課税関係
(土地)50,000,000  (現金預金)30,000,000
                     ⇒土地は時価で取得したものと考えます
            (受贈益)20,000,000⇒益金に算入します

 土地の時価と支払対価との差額である20,000,000円が受贈益として課税されることになります。


※注意※
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 各制度の趣旨を分かりやすく解説することを目的に作成しておりますので、細かい論点や改正点を全て網羅しているわけではありません。
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