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 圧縮記帳による課税の繰り延べ効果

圧縮記帳による課税の繰り延べ効果

作成日:平成25年5月1日

 圧縮記帳の目的は、国庫補助金を受け取った場合等に、その受贈益に課税されてしまっては政策的な補助金の目的が果たせないため、課税を繰り延べることにあります。

 圧縮記帳の処理には直接減額方式と積立金方式の二通りがありますが、ここでは繰り延べ効果を説明しやすい、直接減額方式&定額法の設例で課税の繰延効果を見てゆきます。


設例−直接減額方式

  1. 機械1,000,000円を現金にて取得
  2. 国庫補助金500,000円を受け取り
  3. 機械は5年の定額法、残存価額ゼロで減価償却する
  4. 上記以外に毎期純利益が1,000,000円発生するものとする


圧縮記帳をしない場合

初年度の課税所得
(機械)1,000,000  (現金)1,000,000
(現金)500,000   (国庫補助金受贈益)500,000
(減価償却)200,000 (減価償却累計額)200,000

 初年度の課税所得は、

その他利益1,000,000+受贈益500,000−減価償却費200,000=1,300,000円


二年度目以降の課税所得
(減価償却)200,000 (減価償却累計額)200,000

 二年度目以降の課税所得は、

1,000,000−200,000=800,000円


圧縮記帳をする場合

初年度の課税所得
(機械)1,000,000     (現金)1,000,000
(現金)500,000      (国庫補助金受贈益)500,000
(固定資産圧縮損)500,000 (機械)500,000
(減価償却)100,000    (減価償却累計額)100,000

 減価償却は、直接減額による圧縮記帳後の取得価額(1,000,000−500,000=500,000円)を基礎として行う。

 初年度の課税所得は、

その他利益1,000,000+受贈益500,000−圧縮損500,000−減価償却費100,000
=900,000円


二年度目以降の課税所得
(減価償却)100,000  (減価償却累計額)100,000

 二年度目以降の課税所得は、

1,000,000−100,000=900,000

 圧縮記帳をすれば圧縮記帳をしない場合に比べ、初年度の課税所得は固定資産圧縮損によって大きく減少します。
 一方、二年度目以降は、機械の減価償却の基礎となる圧縮後の取得価額が圧縮記帳を行わない場合に比べて減少しているため、減価償却費が減少して、課税所得が増加します。
 このため、圧縮記帳をしてもしなくても全年度を合算すれば課税される金額はほぼ同じですが、圧縮記帳をすれば圧縮記帳をしない場合に比べて初年度の税負担が軽減され、国庫補助金を支給した政策的目的が達成されやすいといえます。


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