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 役員給与の法人税法上の取扱いの概要

役員給与の法人税法上の取扱いの概要

作成日:平成24年5月27日

 役員給与に関しては、会計上は役員給与か役員賞与かに係らず費用処理することとされています。
 しかし法人税法上は、損金算入に際して要件を課していますので、一定のもの以外は損金算入が認められません。

 ここでは役員給与の損金算入のための制度の概要を見ていきたいと思います。

 法人税法上の役員給与には、

  • 隠ぺい又は仮装経理によるもの
  • 退職給与
  • 退職給与以外の給与
があります。


隠ぺい又は仮装経理によるもの

 隠ぺい又は仮装経理によるものに関しては、全額が損金不算入となります。


退職給与

 退職給与に関しては、不相当に高額な部分を除き、損金に算入できます。


退職給与以外の給与

 退職給与以外の給与には、

  • 一般的な役員報酬
  • ストックオプションによるもの
  • 使用人兼務役員の使用人分の給与
があります。


一般的な役員報酬

 一般的な役員報酬については、以下の①〜③に該当するものが損金に算入できます。
 一般的な月額の役員報酬は、以下の①〜③に該当しなければ損金不算入となってしまいますので注意が必要です。


①定期同額給与
 その事業年度の毎月の月額報酬が同額であれば定期同額給与となり、損金算入が認められます。
 月額報酬が同額であることが求められますが、以下の(i)〜(ⅲ)の月額報酬改定は認められます。

(i)通常改定
 通常改定とは、事業年度開始の日から3カ月以内にされた月額報酬の改定です。
 役員給与は一般的に定時株主総会の時に定められます。
 この定時株主総会の開催の時期は、税務の申告期限や株主の権利を確定する基準日の関係から、通常は遅くとも事業年度開始の日から3カ月以内になります。
 このため、事業年度開始の日から3カ月以内に定時株主総会を経て決定される月額報酬の改定は、通常行われる年一回の役員報酬の見直しであり、定期同額給与の規定に反しない改定として認められます。
 6月下旬に株主総会を行い改定をした場合、4月〜6月支給分が改定前の水準で同額、7月〜翌3月支給分が改定後の水準で同額、になっていればOKです。


(ⅱ)臨時改定事由による改定
 臨時改定事由による改定とは、役員の職制上の地位の変更、職務内容の重大な変更、その他これに類するやむをえない事情によりされた月額報酬の改定です。
 その他これに類するやむをえない事情としては、合併・分割等の組織再編に伴い役員の職制上の地位が変わらないものの職務内容が大幅に変わる場合等が該当します。


(ⅲ)業績悪化改定事由による改定
 経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由によりされた月額報酬の改定です。
 この改定には増額改定のパターンはなく、減額改定に限られます。
 この改定によるには、やむを得ず役員報酬を減額せざるを得ない事由が求められます。(業績悪化事由による定期同額給与の改定の判断

<継続的に供与される経済的利益>
 なお、継続的に供与される経済的利益も、毎月おおむね一定であれば定期同額給与として認められます。

<継続的に供与される経済的利益の例>
 役員への住宅の無償又は低額での供与
 経済的利益の額=適正な家賃額−実際の受取賃貸料

・適正家賃月額200,000円の住宅を月額100,000円で供与している場合の税務上の
 仕訳イメージ
 (現金預金)100,000(家賃収入)200,000
 (役員給与)100,000
 ⇒経済的利益の額(役員給与)が毎月概ね一定であれば損金算入が可能


②事前確定届出給与
 事前確定届出給与とは、所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給される給与(定期同額給与や利益連動給与に該当するものを除く)で、届出期限までに納税地の所轄税務署長にその定めの内容を届出している給与です。
 例えば、株主総会で役員に対する賞与を支給することを決定した場合、決議の日(決議日が職務執行開始日後である時は、その開始日)から1ヶ月以内(但し、事業年度開始の日から4ヶ月以内)に届け出ることにより、当該役員報酬を損金算入することができます。

 なお、届出た支給金額と実際の支給金額が異なる場合、実際に支給した全額が損金不算入となるので注意が必要です。

<非同族会社の非常勤役員の届出不要規定>
 非同族会社の非常勤役員に対し、所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与については、その定めの内容に関する届出は不要です。


③利益連動給与
 利益連動給与とは、同族会社に該当しない法人が業務執行役員に対して支給する給与のうち、以下の要件を満たすものです。

  • その算定方法が、事業年度の利益に関する指標(金融商品取引法に規定する有価証券報告書に記載されるものに限る)を基礎とした客観的なものであり、以下に該当するものであること
    1. 確定額を限度としているものであり、かつ、他の業務執行役員に対して支給する利益連動給与に係る算定方法と同様のものであること
    2. その事業年度開始の日から3ヶ月を経過する日までに、報酬委員会(当該法人の業務執行役員又は当該業務執行役員と特殊の関係にあるものが委員となっているものを除く)が決定していることその他これに準ずる適正な手続を経ていること
    3. その内容が上記2の決定又は手続の終了の日後遅滞なく有価証券報告書に記載されていること
      その他の方法により開示されていること
  • 利益に関する指標の数値が確定した後1月以内に支払われるか、支払われる見込みであること
  • 損金経理していること


ストックオプションによるもの
使用人兼務役員の使用人分の給与

 ストックオプションによるもの、及び、使用人兼務役員の使用人分の給与については、不相当に高額な部分を除き、損金に算入できます。


※注意※
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 各制度の趣旨を分かりやすく解説することを目的に作成しておりますので、細かい論点や改正点を全て網羅しているわけではありません。
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