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 相続時精算課税制度の注意点(不動産取得税と登録免許税)

相続時精算課税制度の注意点(不動産取得税と登録免許税)

作成日:平成25年4月18日


相続時精算課税の注意点

 贈与を行う際に相続時精算課税制度を選択した場合、贈与税の計算上は特別控除額2500万円を使えるため、大型の贈与を行うことが可能になります。
 しかし、相続時精算課税制度を選択して土地の贈与を行う場合、不動産取得税と登録免許税に注意が必要です。
 相続時精算課税制度を選択しても、不動産取得税と登録免許税に関しては優遇されることはなく、相続の場合よりも不利になってしまうからです。


不動産取得税と登録免許税の税率

 土地に係る不動産取得税と登録免許税は、原則として課税標準額(固定資産税評価額)に以下の税率を乗じた金額となります。

相続時精算課税による贈与
相続
不動産取得税
3%(※)
非課税
登録免許税
20/1000
4/1000


(※)平成27年3月31日までに宅地等を取得した場合は、固定資産税評価額に1/2を乗じた
  額を課税標準額とします。


相続時精算課税制度による贈与と相続との差額

 例えば、贈与を行う土地(宅地)の相続税評価額が2300万円、固定資産税評価額が2000万円だったとします。

 相続税評価額が2300万円であり、特別控除額2500万円の範囲内に収まっているため、相続時精算課税制度の申告により贈与税額をゼロにすることができます。

 しかし、不動産取得税と登録免許税は、相続時精算課税制度を選択しても非課税とはなりません。
 相続時精算課税による贈与の場合、不動産取得税が30万円(2000万円×1/2×3%)、登録免許税が40万円(2000万円×20/1000)となり、合計70万円がかかってしまいます。

 一方、相続の場合には、登録免許税8万円(2000万円×4/1000)だけですみます。

 この例において相続時精算課税による贈与の場合と相続の場合では、不動産取得税及び登録免許税の差額が62万円にもなります。

 2000万円の土地を贈与するために62万円もの追加費用がかかってしまうため、贈与の目的と追加費用の負担を比較して考えなければなりません。


公正証書遺言による方法

 このような追加費用の問題を解消する方法として、公正証書遺言による方法が用いられることがあります。
 公正証書遺言の作成費用等はかかりますが、特定の人に土地を相続させたいという目的を将来において達成することが可能です。


制度の趣旨について

 相続時精算課税制度の趣旨は、高齢化により次世代への財産移転の時期が遅れてきているため、財産の移転時期を選択できるようにして財産の移転を円滑化し、経済を活性化することです。
 大型の贈与が可能であるため、土地を贈与したいというケースが多いのが実情です。
 それにも係らず不動産取得税や登録免許税が相続時精算課税制度に対応しておらず、その影響が大きいというのは問題のある税制だと思います。


※注意※
 作成日現在の法令等に基づいて作成しております。
 各制度の趣旨を分かりやすく解説することを目的に作成しておりますので、細かい論点や改正点を全て網羅しているわけではありません。
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