各種関連情報 > 税務関係 > 所得税 > 所得の種類 >
 太陽光発電の売却収入の所得区分と計算

太陽光発電による余剰電力の売却収入の所得区分と計算

作成日:平成24年3月18日
参考:国税庁質疑応答事例

 太陽光発電設備を設置した施設で消費された電気を上回る量の太陽光発電をした際には、その上回る部分を配電線を通して電力会社が一定期間買い取ることとされています(余剰電力買取制度)。

 この余剰電力の売却収入は、主に以下の3つの所得区分及び計算方法に分かれます。


給与所得者が自宅に設置した場合⇒雑所得

 給与所得者が太陽光発電設備を自宅に設置した場合の売電収入は、「雑所得」にあたります。

 雑所得には必要経費が認められているため、太陽光発電設備の減価償却費を必要経費に算入できます。
 太陽光発電設備は、太陽電池モジュール、パワーコンディショナー等を一体として「機械装置」と考え、「法定耐用年数17年(新定額法では0.059)」で減価償却をすることになります。

 法定耐用年数の17年とは、耐用年数表で「機械設備」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」に該当するためです。
 太陽光パネル自体の寿命はもっと長そうですが、パワーコンディショナー等の付属品の寿命はもっと短いようですし、太陽光発電設備を導入した場合の投資回収期間の目安が平成24年現在では15年程度であることを考えると、大体妥当な所と言えそうです。

 なお、必要経費に算入できる減価償却費の額は、総発電量のうち売却した電力量の占める割合のみです。

雑所得の金額=売電収入額−減価償却費

 個人の減価償却費の計算は定額法によります。
 よって、太陽光発電設備等の減価償却費の計算式は、

年間減価償却費=(太陽光発電設備等の取得原価+付随費用−補助金)×0.059
                                 ×売却電力割合
売却電力割合=売却した電力量÷総発電量
となります。
 年の途中で取得した場合には、年間減価償却費を月数按分します。

 上記の雑所得について確定申告が必要な給与所得者は以下に該当する人等です。

  • 1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
  • 2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
  • 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人

 よって主たる給与所得以外に所得がなくて、「余剰電力売却収入から減価償却費を引いた金額が年間で20万円以下」であれば確定申告は不要です。
 通常の一軒家に設置した太陽光発電設備では、減価償却費を差し引いたうえで年間20万円超の雑所得になる可能性は低いでしょうから、申告不要になるケースがほとんどかと思われます。
 ただ、いつ減価償却費の計算が必要になるかはわかりませんから、太陽光発電設備等の取得原価、導入時の付随費用、補助金の金額はわかるように資料を持っておいた方が良いでしょう。


自宅兼店舗に設置していて、メーターは一つの場合⇒事業所得

 メーターが一つで、発電量のうち店舗や自宅がそれぞれいくら電力を使用したかについて把握することはできないケースでは、余剰電力売却収入全額を全て「事業所得」の付随収入とする見解が、国税庁の質疑応答事例で示されています。
 この場合、必要経費に算入する減価償却費の額は、発電量のうち売却した電力量以外の割合を店舗の使用割合により按分した割合と発電量のうちの売却した電力量の割合の合計を事業用割合として計算します。

年間減価償却費※=(太陽光発電設備等の取得原価+付随費用−補助金)×0.059
                                  ×事業用割合

※いわゆるエネ革税制を適用する場合、事業用割合の計算方法は以下と同一ですが、
 年間減価償却費の計算は異なってきます。

 事業用割合の計算は以下の要領です。

年間発電量100
売却電力量30
使用電力量70
店舗割合60%
の場合、
店舗で使用した電力量=70×60%=42
事業で使用した電力量=42+30=72
事業用割合=72÷100=72%
となります。


賃貸アパートに設置して、その電力を共用部分で使用し、余剰電力を売却している場合⇒不動産所得

 太陽光発電設備を設置することで共用部分の電気料金は減少し、その分不動産所得の金額の計算上必要経費に算入される金額も減少します。
 このように不動産所得の金額を増減させるものですので、その余剰電力の売却収入も「不動産所得」に係る収入金額に算入するという見解が、国税庁の質疑応答事例で示されています。


※注意※
 作成日現在の法令等に基づいて作成しております。
 各制度の趣旨を分かりやすく解説することを目的に作成しておりますので、細かい論点や改正点を全て網羅しているわけではありません。
 情報をご利用の際には必ず原典等を調べ、各人の責任にてご利用くださいますようにお願い致します。
 なお、トップページのメールフォームからは無料で個別の相談に応じておりますので、ご利用ください。

 →ご相談はこちら