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 控除対象外消費税額等の法人税法上の取扱いと会計上の仕訳

控除対象外消費税額等の法人税法上の取扱いと会計上の仕訳

作成日:平成24年4月5日

 控除対象外消費税額等とは、消費税の仕入税額控除の計算の結果、消費税の納税額計算上で控除することができなかった仕入税額です。
 控除対象外消費税額等は帳簿上「仮払消費税」として残ってしまうことになりますので、法人税法上の取扱いと会計処理が問題となります。


法人税法上の取扱い

資産に係る控除対象外消費税額等
<原則>
 その資産の取得価額に算入し、減価償却等によって損金の額に算入する

<特例>
 以下の①〜③の場合、損金経理を要件としてその事業年度の損金の額に算入できる
  ①課税売上割合が80%以上の場合
  ②棚卸資産に係る控除対象外消費税額等である
  ③一の資産に係る控除対象外消費税額等が20万円未満である

 上記の特例の①〜③に該当しない場合には、「繰延消費税額等」として法人税法上は資産計上されます。
 そして以下の計算式による金額が損金算入限度額となります。

・初年度の計算式
  損金算入限度額=繰延消費税額等×当期の月数/60×1/2

・翌年度以降の計算式
  損金算入限度額=繰延消費税額等×当期の月数/60


控除対象外消費税額等が資産に係るもの以外(経費)である場合

 全額をその事業年度の損金の額に算入します。
 但し、交際費等に係るものは交際費等の損金不算入額の計算に含まれますので注意が必要です。
 交際費等に係る控除対象外消費税額等は別途把握することが求められます。


会計上の取扱い(税抜処理を採用している場合)

 消費税の会計処理について(中間報告)において、控除対象外消費税額等の取扱いが例示されており、現状は複数の処理が認められています。

 複数の処理が認められているのは、資産に係る控除対象外消費税額の性格について、以下の2つの説があるからです。

  1. 最終的な消費について負担したものであり、当該資産の付随費用として取得原価を構成するものとみる説
  2. 控除できなくなった仮払金であり、発生年度の期間費用とみる説

 採用した会計上の仕訳によって法人税の損金算入限度額との差異が発生した場合、別表上で調整する必要があります。

<棚卸資産に係る控除対象外消費税額等の仕訳例>
①当該棚卸資産の取得原価に算入する方法
 (棚卸資産)××(仮払消費税)××

②発生事業年度の期間費用とする方法
 (租税公課)××(仮払消費税)××


<固定資産等に係る控除対象外消費税額等の仕訳例>
①当該固定資産等の取得原価に算入する方法
 (建物)××(仮払消費税)××

②固定資産等に係るものを一括して長期前払消費税として費用配分(均等償却)する方法
 (長期前払消費税)××(仮払消費税)××

③発生事業年度の期間費用とする方法
 (租税公課)××(仮払消費税)××


<上記以外に係る控除対象外消費税額等の仕訳例>
 (租税公課)××(仮払消費税)××


会計上のポイント
 消費税は利益を課税標準とする税金ではないため、販管費の「租税公課」とするのが原則です。
 なお、対応する課税仕入と同じ区分に表示することが適当であれば、「売上原価」や「営業外費用」とすることも認められます。
 上記のように仕訳パターンは複数認められていますが、発生事業年度の期間費用とする方法を採用すれば、
 ①固定資産の取得価額確定のタイミングが早くなる
 ②法人税法上の損金経理要件に心配がなくなる
という理由からお勧めです。


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